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サイトの進み具合やらライブ出演の話やら

 ずいぶんご無沙汰となってしまった。

 当初から「とにかくゆっくり更新することになる」などと予防線をはりまくっていた当サイトだが、さすがに半年も放置するのはいかがなものかと思ってきた。

 「放置」と書いたが、何もしなかったわけではない。書きかけの論考「媒介者としてのボイパプレイヤー」の最終章部分については、「書いては消し」をずっと繰り返し続けてきた。しかしどうにも締まりが悪く、公開をためらっている(それを放置というのだ)。

 こういうかんじで煮詰まってしまったとき、「締め切りが存在しない」ということがネックになるなあ、とつくづく思う。だれかに急かされる要件であればなんとか気合で形にするのだが、ざんねんながらこのサイトは、更新を待ち焦がれる人なんてものは世界に存在しない。

 それならば適当な完成度でアップすればよいようにも思ったりするが、まあとにかく、人に見せられるような状態ではないのである。文章は寝かせておくことで熟成されるというパターンもあるので、のんびり書こうと思う。

 

ハモネプ論考について

 

 それより目下とりかかっているのは「ハモネプ」にかんする論考だ。

 つい先日、ハモネプの復活がツイッターを賑わせた。3月半ばに第1期の応募締切があり、その後オーディションを経て6月初旬に公開収録が行われる予定だ(参考:ニコニコニュースーハモネプ復活 『アカペラ日本一決定戦 全国ハモネプリーグ』出場者を募集中)。せっかくなので、このタイミングで文章をまとめたいという思いがある。

 この論考を急いで書き上げなければならない理由がもういくつかある。

 ひとつはウェブサイト制作サービスの「Yahoo!ジオシティーズ」が3月末に終了することだ。初期ハモネプ出演グループのうち、このサービスをつかってウェブサイトをつくっていたグループもいくつかあるはずである。サービスが終わってしまっては、永遠に参照することができなくなってしまう。

 もうひとつは、「平成が終わってしまうから」だ。当サイトでは、ボイパの歴史のはじまりを「Mr.no1seの登場」と設定している。そのかれがテレビに登場しはじめたのが、まさに平成のはじまりごろだった。

 Mr.no1seさんが開拓してきたボイパの茨道は、のちにハモネプの力によって大規模整備されていくことになる。ここまでをひとつの「物語」ととらえるならば、やはり平成という時代のうちに書いておくのが当サイトの責任というものだろうと、勝手に感じているわけである。

 「ハモネプ」論考は、近日中に「ボイパの歴史」の新しい項目として追加する予定だ。

 

ステージにたちます

 

 家にひきこもって文章をこねくりまわしているだけではよい論考は書けない。考えていることを実践することで、はじめて説得力も増していくはずだ。だからこそ積極的にステージには立ちたいと思っている。

 そんななか縁があって、この3月と4月に、それぞれボイパ演奏をすることになった。

 

 ひとつめは3月17日(日)。演奏形態はアカペラである。なんと、あの日本で最も歴史の長いアカペライベントのひとつである「アカペラ公園」を主催する吉田実則さんとともに演奏することになった。日本のアカペラの歴史を間近に見てきた実力者である。えらいこっちゃ。

 今回、かれが家族とともに活動している「マミィー」というグループに、一曲だけボイパで参加できることになった。本番にむけてこれまで2回練習をしたのだが、ほんとうに刺激的だった。

 演奏曲は「デイ・ドリーム・ビリーバー」だ。4声でアレンジされたものにボイパを追加する。練習では、ボイパを付け足したことで発生した違和感を、リアルタイムでどんどんアレンジ改変して解消。1時間後にはまるで別の曲に仕上がってしまった。吉田さんによる類まれなアレンジ能力と的確な指示力に感動を禁じ得ず、また適応力抜群のメンバーにも圧倒された。たじたじだったが、とても勉強になるよい経験だった。今回のステージは身内向けのイベントなのでとくに宣伝することもないが、本番はとにかく楽しんでこようと思う。

 

 ふたつめは4月12日(金)。「UNITY」という横浜市のイベントに出演する(詳細は添付画像を)。 (←諸事情により出演できないことになりました。)主催するアーティスト・HAMMERさんとの縁で出演することとなった。

 UNITYといえばかつてGReeeeNが「登竜門」として目指したライブイベントとして知られる(小松成美著「それってキセキ GReeeeNの物語」より)。またSOUL’dOUTやBENNIE K、SEAMO、シクラメンなど名だたるアーティストが出演してきたイベントだ。なにもかもがえらいこっちゃという感じである。

 開催場所である「戸塚区」にゆかりのある多ジャンルの音楽アーティストがチームを組み、様々なパターンのコラボ演奏を行うのだが、これにボイパプレイヤーとして参加する。ほんとうにどうなることやらわからない。また近くなったらいろいろと書けることもあると思うので、レポートしたいと思う。

 

 さて、これは何度も書いてきたことではあるが、さいごにひとつだけ付け加えておこう。

 このように、様々なジャンルのアーティストと、音楽的な実力や実績を超えてつながることができることこそが、ボイパが持つ最大の特長なのだろうと思っている。それが当サイトで最も伝えたいことであり、すべての論考はそんな視点で書いているつもりだ。

 論考を書き、実践する。実践によって得られたことは、論考にフィードバックする。そんなことを不断に続けていけば、このはてしなく更新の遅いサイトも、いずれは知る人ぞ知る良いサイトとして成長していくんじゃないかと思っている。なるといいなあ。