「OZEかたしなアカペラファンタジーFES ON LINE」を視聴しています。きょうは仕事があったためリアルタイムでは見られなかったのですが、あとから再生できるのがオンライン開催の良さですね。
このイベントの画期的な点は、いくつかあります。取り急ぎ、3つ紹介しましょう。
まずは「オルタナティブとしての役割」です。
今回のイベントは、JAMやKAJa!などが担ってきたライブならではの臨場感と、ハモネプなどのテレビ番組が担ってきた演出による説得力を兼ね備える、「オルタナティブな試み」として評価することができるでしょう。
つぎは「ファンの撹拌」です。
RAG FAIRがオープニングを飾り、近年のハモネプで活躍する大学生グループが登場します。長年活躍するアカペラ奏者によるユニット・結果的ポップスが演奏し、日本のアカペラ文化を切り開いてきたチキンガーリックステーキとシュガーズが最後を締めくくります。このようにさまざまなグループが登場することで、それぞれのファンが、異なる世代のアカペラを目にする機会が生まれます。これはたいへんすばらしいことです。一般論として、文化は世代ごとに硬直してしまうものです。今回のイベントは、その硬直を撹拌する設計になっていると感じました。
そしてぼくが何より注目しているのは、「アカペラによる地域ブランド構築の可能性」です。
このイベントは2年前に初開催されました。当時は「コロナ前」だったこともあり、少なくない人たちが現地に訪れました。現地にもたらした経済効果は、それなりにあったと思います。一方で今回はオンライン開催であるため、人の移動はほとんどありません。「経済効果」という意味に限っていえば、けっして大きくはなかったと思います。
しかしです。少なくともぼくは、「尾瀬のロケーションのすばらしさ」を、動画から感じ、記憶に残すことができました。
景色とはえてして「印象的な出来事とセットで記憶されるもの」です。今回のイベントはこの点において完璧に成功しています。視聴者は、好きなグループが歌っている姿を「背後に広がる景色」とセットで思い出すことでしょう。そしてこれこそが、地域ブランド構築の「肝」であるとぼくは考えます。つまり今回のイベントは、視聴者をして「尾瀬に行ってみたい」と思わせることに成功している。アニメやドラマにおける「聖地巡礼」などと言い換えてもいいかもしれません。
アカペラは機動力があり、地方で披露するにはもってこいの演奏形態でもあります。「アカペラと地方」。考察を深めるにはいい題材だと思いました。
さて、引き続き視聴したいと思います。なにぜ今日から3日間も見られますからね。リンクは下記からです。
https://twitter.com/OZEFes_official/status/1438953212069892096?s=20